学期前放浪予告第二回:SwooDooとBlue Airに大感動

えー、まだベルリンです。風邪を引いてしまって出発するのとベルリンを出発する飛行機やらを予約しているのをためらっているうちに土曜日になってしまいました。ま、でも結局月曜の朝に出発することなりました。ベルリンのシェーネフェルドからブカレストまで飛びます。

ところが、それにいたるまで、おとついから土曜日の夕方までどうやって黒海沿岸までいくべ、ということえんえんと検討させられました。体調がうわむきになってきて、よっしゃ、出発するべえ、となったのはいいが、出発直前になったということもあって、利用しようと思っていた航空会社チケットの値が、数日前にチェックしていたときとはくらべものにならないほど高騰。格安航空会社の近距離フライトは直前になるとどうも値段が上がる傾向にあるゆえ、ある程度は覚悟していたのだけれど、これでは予算的オーバー、陸路でポーランド経由でウクライナに入る以外に選択肢がなくなってしまった。陸路でいくと、安上がりで旅の予算的には上々なのは間違いないけれど、時間はかかる、丸二日に移動だけでかかる。しかも、時間が2週間しかないので、夜行にのるのが、一番時間を節約するためにはもってこいなのだけれど、ポーランドを抜けるのに最低一泊。西ウクライナをぬけてオデッサモルドヴァに移動するのに夜行一泊。ということは夜行連泊もありうるわけで、10代や20代頭のころならやっていたかもしれないけれど、今ははっきりいってつらい。そう思ったりもして、段々気が進まなくなってきてしまった、困ったことに。
でも、思い直せば、やはり、夏学期が始まれば、それこそ卒業の準備にぼちぼちはいるわけで、論文やらで8月9月までは最低ベルリンを出れる見込みがない。しかも、この夏学期はEUの外側の境界線、つまり現在の地理学的、文化史的、歴史学的概念としての「ヨーロッパ」について論議する分野横断的なプロジェクト(のはず)にでるつもりでいるので、直前のネタ探し(一応「研究」と称してはいますが)としてはちょうどいいし、そして、いまこの2週間以外にそのフィールドワークにいける時間がやっぱりなさそうなので、しかも、いかないと多分これから秋まで後悔するだろうとやっぱり思いなおして、今日の土曜日の朝からずっとパソコンに向かい続けていたのだけれど、なかなか納得いく値段でのチケットがでてこない。本当にこれは、また陸路でウクライナ入りだな・・・ということは明日にはでないと・・・(前回のウクライナへ入りについてはベルリン中央駅さんのブログにあります)、ということでポーランドを陸路で、しかも、できるだけ安く早く抜けるためのルートを昨日一昨日中ずっと調べていました。
そこで考えついたのが次の方法:まず、ベルリンを午前中9時ごろにたちフランクフルト(オーダー)へ向かう。そして、オーダー川に架かる橋を徒歩で超え、ポーランド入国。ポーランド側のフランクフルト対岸のスウビーチェSlubiceからバスに乗る。ここで考えたのは、シュレジエンを斜めにバスで突っ切って、ヴロツワフWroclaw(ブレスラウ)に向かう方法。
前回、ベルリン中央駅さんとウクライナへ向かったときは、フランクフルトからポズナニまで列車で、そこから列車でヴロツワフを通過したのだけれど、これは距離的にも時間的にもロスが大きい。そこでポーランド国鉄PKPのホームページをみると、11時前にヴロツワフからプシェミスルPzemyslというウクライナの国境近くの町にいく夜行がでている、それによれば、7時とのことで、それから国境をこえれば、まあ、お昼前には西ウクライナリヴィウLvivに着けるはず。
しかし、それに乗るためには、ベルリンからシュレジエンをどうやったら早く安く通過できるか、という点にかかってくる。Deutsche Bahnのホームページをみると、Goerlitz経由のプランをだしてくれたが、だいたいGoerlitzまでにいくのに30ユーロ弱もかかってしまう、これならぶっちゃけユーロシティーECにのってワルシャワにいくのとあまり変わらない値段である。あほらしいことこの上ない。だいたい、僕らは30ユーロもかけないで前回はリヴィウまでいってしまったのだ。
そんなわけで、じゃあ、シュレジエンをど真ん中を通るルートはどうか、というのを考えた。ここはバスしかない。ポーランドのバスはいまだに安い。列車より安いかもしれない。ただやはり列車とくらべるとめちゃ遅い。それでも距離的にそれほどあるわけでもないし、よくみると最近整備されたアウトバーンが地図上にも見える。いくらなんでも、半日もあればつくだろうと思い、そんなわけで、PKSというポーランドのまだ国営なはずのバス会社のホームページをみると、フランクフルトの対岸からスウビーチェからジェローナゴーラZielona Gora(旧名グリューンベルクGruenberg)というシュレジエンの街までバスが頻発していることが判明。しかも、1時間半でいける。高いわけがない。そして、そのジェローナゴーラから同じシュレジエンの大都市ヴロツワフにはもちろんバスが頻発している。それほどかかることもないだろうし、なによりバス代はかからんに違いない。
そして、ヴロツワフから11時前の夜行でプシェミスルPzemyslへ。そして、そのプシェミスルからウクライナとの国境のチェックポイントまでは小さい乗り合いバスで15分程度。ヨーロッパ連合の一番外側の国境を越えて、ウクライナに入国すれば、西ウクライナの大都会リヴィウまでは、またしても乗り合いタクシー(マルシュルートゥカ)で2時間。それこそ2ユーロもかからない。
そんなわけで、多分これがベルリンのみならずドイツ国内からウクライナにもっとも安くいく方法。しかし、つかれますよー、これは。最近、ところで、夜行バスや列車にのってもよく眠れんことが多いのです。10代のころや20台の頭などは、それこそ、夜行列車の硬い座席だろうが、夜行バスの狭い座席だろうが、無人駅の待合室の硬いベンチだろうが、なんの問題もなく寝れていたのだけれど、最近は飛行機のビジネスクラスでも満足に寝れないことがしばしば。これはやっぱ年でんなー。
それに、ポーランドで夜行列車にひとりで乗るのはやっぱり気が進まない。特に、座席車やコンパートメント車での移動は。僕自身はなんどもポーランドを夜行列車で移動したことがあるのだけれど、あまりかんばしい話はきかないし、かばんが起きたら消えていたなどという話はざらなゆえ、薦めたくもない。いつだったか、クラクフからウィーンへ、また、プラハからワルシャワに夜行で抜けたときなど、不安と変な緊張で全く寝れた記憶がない、まあ、その当時はまだ国境でのパスポートコントロールがあったので、どっちにしろ、国境でたたき起こされてはずなのだけど(今年の一月からはシェンゲン条約の枠内に2004年からEUに入った中欧諸国も加入したので、理論上はもうたたき起こされなくなったはずなのだけれど、実際はどうなんでしょう)。
前回、一回目にウクライナへいったときのベルリンへの帰り道ルブリンに数泊よっていこうとしたのだけれど、なぜか当地の安宿はどこへいってもいっぱい。ついたのが8時前とちょいとおそかったこともあるのだけれど、夜10時になっても適当な値段の宿がみつからず、どうしようもなくなって、これはビジネスホテルに大金積んでとまるしかあらへんところまでおいつめられて、駅前のビジネスホテルに向かいかけたところで、ひょいとルブリン駅発の時刻表をみたら、なんとヴロツワフ行きの夜行が15分後に出発するのを発見。もうええわ、夜行で一晩越してベルリン帰るべ、と即効列車に乗り込んでコンパートメントに腰を落ち着けて、安心安心、節約できてラッキー、となったのだけれど、そーいや、夜行はいややったんとちがうんか、とはっと、やっぱ一泊しときゃよかったかな、とそう思いなおしたのだけれど、その日は、ウクライナ国境を出るのにひと悶着があって疲れていたというのもあり(この話についてはまた時間があるときに書こうかなと思ってます)、気がつけば、コンパートメントを一人で占拠して6人分か8人分のシートを大の字になって占拠して爆睡、起きればもうヴロツワフにつく手前、夜行はガラガラすぎてなにもおこらず、ということもあったけれど、それはたまたま運がよかったからだともいえるし、いまだに面倒な目には一度もあったことがないので、最低限の注意だけはらっておけば、大丈夫どともいえるのだろうけれど、とにかく、ポーランドの夜行は、僕がいままで何もあったことがない、というのが幸運だといえるほど、いい話をきかない。

で、まあ、結局月曜飛行機でブカレストの飛ぶことになったのですが、きっかけは実にささいなことでした。もう陸路でポーランドウクライナ横断以外にありえないのかな、と覚悟しかけたころ、半ばやけ気味に、グーグルでドイツ語安い飛行機とかチケットとかで検索をかけていたら、たまたま検索結果の上位にきたのが、SwooDooとかいうアヤシイ名前の格安航空券の検索サイトだったのだけれど、あまり期待せずにそのサイトで東ヨーロッパ、ルーマニアとかで検索をかけてみると、月曜日の午前中ベルリンのシェーネフェルド空港出発で70ユーロという我が目を疑うような安い値段が上位にヒット。これはなにかの間違いでは・・・と期待もせずにそこにあったリンクにアクセスしてみるとつながったのが、Blue Airというルーマニアブカレストベースの格安航空会社。こんな会社はみたことも聞いたこともないと、グーグルやらWikipediaで調べてみると、わりかし新しい会社で、ベルリン就航はなんとこの月曜日、つまり3月31日。つまり、まだベルリンとブカレストを飛び始めてから今日の時点では一週間もたっていない。だから、安いのかとか思う一方で、この航空会社ははたして大丈夫やろか、とも思ったりはしたけれど、とりあえず、予約してみれば、速攻確定の連絡ありで、とりあえず、月曜の朝シェーネベルクにいくまではわからないけれど、そんなわけでベルリン脱出ほぼ確定。ハードな夜行二連泊の旅にはならない見込みで一安心。

ところで、ブカレスト行きの航空券を発見することになったこのSwooDooというサイトはいままでみてきた航空券の検索サイトとしては、使い勝手といい検索結果の表示といいピカ一ですわ。なにがいいかというと、行き先と値段と日程などのさまざまな要素を非常にシンプルに視覚的に比較できる、そして検索フィルターかけたあとの表示がなによりもシンプル。細かい行き先まででるのでよい。使えばわかります、これはすごくよくできてるサイトじゃないでしょうかね。他のサイトにあるようなうっとおしい広告がほとんどないといっていい。その手のサイトはこのSwooDooとくらべたら、ほんまカッコだけといっていいし、ひっかかる航空会社が大手だけで、そんなこともあって、いままで、そして、今日と昨日もその手のサイトを使ってみたりしたけれど、ほとんど使えなかった(つかいこなせなかっただけかもしれないけれど)。だいたい、Blue Airなんてひっかりもしなかったし、直前出発の検索などほとんどできないのに等しかった。
いやいや、今日は安いチケットを探し出せたからというのもあったのだけれど、このサイトには感心させられましたわ。今までおめにかかってこなかったタイプのサイト。もちろん、ドイツ発の場合ですよ、他の国はしりません。とはいえ、これはすばらしい、ほんまリスペクトですわ。これからは日本行きもこれで探すことにするけど、ちなみに、いっときますけど、航空券を安く買うのは、旅行会社を通してじゃなくて、インターネットを通じて航空会社から直接かうのが一番ですよ。だから、使いたい航空会社のホームページを定期的にチェックするのが安く飛ぶための方法です。ルフトハンザのReady to FlyというラストミニッツはSwooDooでもひかからなかったので。でも、インターネットでしかうってないような格安航空会社を比較する場合はこのサイトが今の時点では一番いいとはおもいます。

というわけで、3度目のブカレストへれっつごーじゃ。ベルリンに戻ってくるのは20日だと思います(まだいつか自分でもきめてません)。ではまた自戒じゃあ。